「天の川を撮りたいけれど、ISO・F値・シャッタースピードはどう設定すればいい?」
初めて天の川を撮影するとき、一番迷いやすいのがカメラの設定だと思います。
結論からいうと、私はフルサイズ+広角レンズで最初の一枚を撮るなら、
- 撮影モード:M(マニュアル)
- F値:F2.8前後
- シャッタースピード:10〜15秒前後
- ISO:3200前後
- ピント:MF(マニュアルフォーカス)
- 記録形式:RAW
あたりから始めます。
ただし、ここで一番伝えたいのは、「F2.8・15秒・ISO3200にすれば正解」ということではありません。
私は一枚目から完璧に撮ろうとはあまり考えていません。
まず撮影する。
撮った画像を拡大する。
ピント、露出、星の流れを確認する。
そして、その日の空、月明かり、前景、使用するレンズ、撮影方法に合わせてISO・F値・シャッタースピードを調整します。
天の川撮影では、設定値を暗記すること以上に、「撮った写真を見て次の設定を判断すること」が大切だと私は考えています。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。紹介している機材には、私が実際に使用している製品と、その現行・対応マウント製品が含まれます。

- 結論|天の川撮影はまずこの設定から始める
- 天の川撮影で一番大切なのは「一枚撮って確認する」こと
- 天の川撮影の基本手順|現地ではこの順番で撮る
- F値は小さいほどよい?|明るさと星像の両方を見る
- シャッタースピードは何秒?|長くすればよいわけではない
- ISO感度は3200固定ではない|光の条件を見て変える
- ピント合わせは撮影前だけで終わらせない
- 暗闇の液晶は明るく見える|露出は現地で何度か試す
- 実写EXIFで比較|同じ天の川でも設定はこれだけ違う
- 月明かりがある夜は「天の川だけ」を見ない
- 雪山では新月でも前景が写りやすい
- 街明かりがある場所では露出を上げすぎない
- 厳冬期は「最高画質」だけで設定を決めない
- 天の川撮影に必要な機材
- RAWで撮影する理由
- 天の川撮影でよくある失敗と対処法
- 撮影前に「いつ・どこ・どの方角」を確認する
- よくある質問
- まとめ|設定値を覚えるより「撮って確認して変える」
結論|天の川撮影はまずこの設定から始める
初めて天の川を撮影するなら、まず次の設定をスタート地点にすると分かりやすいです。
| 設定 | 最初の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 撮影モード | M | F値・SS・ISOを自分で決める |
| 記録形式 | RAW | 後から露出や色を調整しやすい |
| 焦点距離 | 14〜24mm前後 | 山と天の川を広く入れやすい |
| F値 | F1.4〜F2.8前後 | レンズの星像も確認する |
| シャッタースピード | 10〜15秒前後から | 星が流れていないか拡大確認 |
| ISO | ISO3200前後から | 月・光害・前景に合わせて上下する |
| ピント | MF | 明るい星を拡大して合わせる |
| 三脚 | 使用 | 長秒露光のためしっかり固定 |

ここで紹介した数字は、あくまで一枚目を撮るための目安です。
実際には、焦点距離やレンズの明るさ、空の暗さ、月、街明かり、雪、撮りたい構図などによって設定を変えます。
天の川撮影で一番大切なのは「一枚撮って確認する」こと
私は撮影すると、必ずその場で画像を確認します。
ただ全体を見るだけではありません。
液晶画面で撮影画像を拡大します。
主に確認するのは次の項目です。
- 星にきちんとピントが合っているか
- 星が自分の意図以上に流れていないか
- 露出が明るすぎたり暗すぎたりしていないか
- 画面の隅の星像が崩れていないか
- 前景が必要なだけ写っているか
- 街明かりや山小屋の灯りが明るくなりすぎていないか
- レンズが曇っていないか
問題があれば、そこで設定を変えてもう一枚撮ります。
私は、最初から「この数字なら絶対に成功する」とは考えていません。
いくつかの設定を試しながら、その夜の空と自分が撮りたい写真に合うところを探していきます。

天の川撮影の基本手順|現地ではこの順番で撮る
STEP1|三脚を安定した場所に立てる
天の川撮影では数秒〜数十秒の露光をするため、カメラをしっかり固定します。
山では岩場や斜面、風の強い場所もあるので、まず三脚そのものが安定しているかを確認します。
STEP2|Mモード・RAWに設定する
露出はカメラ任せにせず、MモードでF値・シャッタースピード・ISOを自分で設定します。
私は後からRAW現像するため、基本的にRAWで記録します。
STEP3|明るい星にピントを合わせる
天の川撮影ではAFではなく、基本的にMFを使います。
ライブビューで明るい星を見つけ、画面を拡大します。
そして、星が最も小さくシャープに見える位置までフォーカスリングを微調整します。
「無限遠マークに合わせれば終わり」ではなく、実際の星を見ながら合わせる方が確実です。
STEP4|F値を決める
まずはレンズの開放付近から始めます。
F2.8のレンズならF2.8、F1.4の明るい単焦点ならF1.4付近から試します。
ただし、F値は小さければ小さいほど必ずよいわけではありません。
STEP5|シャッタースピードを決める
広角レンズなら、私はまず10〜15秒程度を一つの基準にします。
その後、撮影画像を拡大し、星が意図せず流れていればシャッタースピードを短くします。
STEP6|ISOで明るさを調整する
ISO3200前後から始め、暗すぎれば上げ、月や街明かりで空が明るければ下げます。
F値やシャッタースピードだけでは調整しきれない部分をISOで補うイメージです。
STEP7|撮影して必ず拡大確認する
ここが私にとって特に重要です。
撮ったら、ピント・露出・星の流れ・画面周辺の星像まで確認します。
問題があれば設定を変え、もう一度撮ります。
F値は小さいほどよい?|明るさと星像の両方を見る
天の川は暗い被写体なので、明るいレンズは有利です。
例えばF2.8よりF1.4の方が多くの光を取り込めるため、同じISOならシャッタースピードを短くできます。
ただし、私は「とにかく開放にすればよい」とは考えていません。
レンズによっては、開放付近で撮ると画面周辺の星が丸い点にならず、尾を引いたり、羽根や十字のように崩れて見えたりすることがあります。
星のような点光源は、レンズの特性が非常に分かりやすく表れます。
そのため、私は撮影後に中央だけでなく画面の隅まで拡大して確認します。
周辺の星像が気になる場合は、少しF値を絞ることもあります。
SIGMA Artの単焦点レンズを星景で高く評価している理由
私が星景撮影で使ってきたレンズの中では、SIGMA Artシリーズの単焦点レンズを高く評価しています。
私は24mm F1.4だけでなく、35mm F1.4 Artも所有しています。
私が使ってきた範囲では、F値を小さくしても星像をきれいに撮りやすく、画面の隅でも星の崩れが比較的少ないと感じています。
今回確認した編集前データにも、24mm・F1.4・ISO3200・6秒で撮影した作例が残っていました。
明るいレンズを使うことで、ISO3200のまま6秒までシャッタースピードを短くできます。
星をできるだけ点として止めたいときや、パノラマ・タイムラプスを撮りたいときには大きなメリットです。
レンズによって星像の出方は違うため、スペックだけで判断せず、自分のレンズで実際に星を撮り、画面周辺まで確認することをおすすめします。
私が使っている24mm F1.4 Artと、現在のSony E用モデル
ここは、購入するときに特に注意してほしいポイントです。
私が長年星景撮影で使用しているのは、SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | ArtのCanon EFマウント用です。
これは一眼レフ世代のモデルで、現在は生産完了しています。
一方、現在のフルサイズミラーレス向け24mm F1.4 Artは、SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artです。
Sonyのフルサイズミラーレスを使っている場合は、Sony Eマウント用を選びます。
私が実際に使用している一眼レフ用モデル
SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art|Canon EFマウント
私自身がCanon EOS 6Dと組み合わせ、長年星景撮影に使用してきたモデルです。
Canon EF用 24mm F1.4 DG HSM ArtをAmazonで確認する
※生産完了モデルです。Amazonでの在庫・販売状態は変わる可能性があります。
Sonyフルサイズミラーレスを使っている方
SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art|Sony Eマウント
24mm F1.4の明るさを、Sony Eマウントのフルサイズミラーレスで使いたい場合はこちらです。
レンズ購入時はマウントに注意してください
同じ「SIGMA 24mm F1.4 Art」という名前でも、DG HSMとDG DNでは設計世代や対応マウントが異なります。
今回紹介しているAmazonリンクは、
- 旧モデル:Canon EFマウント用 DG HSM
- 現行ミラーレス用:Sony Eマウント用 DG DN
です。
Canon RFやNikon Zへそのまま装着するレンズではありません。購入前に必ず自分のカメラのマウントを確認してください。
14mmは山と空を大きく入れたいときに使う
24mmよりさらに広い範囲を写したいときは、私はSAMYANG XP 14mm F2.4も使っています。
山岳風景を大きく入れながら天の川まで一枚に収めたい場合や、狭い場所から空を広く写したい場合には14mmが使いやすいです。
一方、広角になるほど天の川自体は画面の中で小さく見えます。
そのため私は、広い山岳風景と空を見せたいなら14mm、天の川をもう少し大きく見せたいなら24mmというように構図によって使い分けています。
35mmはさらに画角が狭くなりますが、空の一部や山をより大きく見せたい構図では面白い焦点距離です。
実際に使用しているSAMYANG XP 14mm F2.4
私が使用しているのはCanon EFマウント用です。
SAMYANG XP 14mm F2.4をAmazonで確認する
※リンク先の対応マウントを必ず確認してください。
シャッタースピードは何秒?|長くすればよいわけではない
シャッタースピードを長くすると、それだけ多くの光を取り込めます。
しかし地球は回転しているため、露光時間を長くしすぎると星は点ではなく線になっていきます。
どこまで許容できるかは、
- 焦点距離
- カメラの画素数
- 写真をどこまで拡大して見るか
- 最終的な作品サイズ
- 自分がどこまで星の流れを許容するか
によっても変わります。
500ルールは「目安」として考える
星を点として写せるシャッタースピードの目安として、「500÷焦点距離」で考える500ルールが知られています。
ただし、私は計算結果をそのまま正解にはしません。
カメラの画素数や写真を大きく見るかどうかによって、計算上は範囲内でも星の流れが気になることがあります。
最終的には実際に撮り、拡大して自分の目で確認します。
タイムラプスやパノラマでは短めにする
タイムラプスや、天の川アーチなどのパノラマ撮影をするとき、私は通常の単写よりシャッタースピードを短めにすることがあります。
複数枚を連続して使うため、1枚ごとの星の流れや位置の変化をできるだけ抑えたいからです。
その分、明るいレンズを使ったりISOを上げたりして露出を補います。
ISO感度は3200固定ではない|光の条件を見て変える
ISO3200は、天の川撮影を始めるには使いやすい数値です。
実際、今回確認した私の元データでもISO3200を使っている作例が多くありました。
ただし、ISO3200に固定しているわけではありません。
例えば、
- 月が明るい
- 雪面が明るい
- 街明かりが強い
- 山小屋やテントの灯りが近い
場合はISOを下げることがあります。
反対に、シャッタースピードを短くしたい場合や、前景も含めて暗い場合にはISOを上げます。
ISOだけを単独で考えず、F値とシャッタースピードとのバランスで決めます。

ピント合わせは撮影前だけで終わらせない
暗い場所で最も避けたい失敗の一つが、ピンぼけです。
露出はRAW現像である程度調整できますが、大きく外したピントは後から直せません。
そのため私は、撮影前に星へピントを合わせるだけでなく、撮影後の画像も必ず拡大して確認します。
カメラを移動したり、レンズに触れたり、構図を大きく変えたりしたときも確認します。
星が小さな点としてシャープに見えているかを見るのが一つの目安です。
暗闇の液晶は明るく見える|露出は現地で何度か試す
夜の山は非常に暗いため、カメラの液晶画面も普段以上に明るく感じます。
私の場合、現地の液晶で「少し明るく撮りすぎたかな」と思うくらいでも、あとから通常の環境で見るとちょうどよいことがあります。
もちろん液晶の明るさ設定によっても見え方は変わります。
そのため液晶の印象だけで判断せず、白飛びしていないかなども確認しながら調整します。
大切なのは、最初の撮影結果を見て、
- 空をもう少し明るくしたい
- 天の川をもっと出したい
- 山をもう少し見せたい
- 街明かりを飛ばしたくない
という自分の意図に合わせて露出を詰めることです。
実写EXIFで比較|同じ天の川でも設定はこれだけ違う
今回、編集前のJPG・CR2データから確認できた実際の撮影設定をまとめました。
| 撮影条件 | 焦点距離 | F値 | SS | ISO |
|---|---|---|---|---|
| 雲ノ平・濃い天の川 | 記録なし | 記録なし | 20秒 | 3200 |
| 唐松岳・月明かりあり | 記録なし | 記録なし | 10秒 | 1600 |
| 唐松岳・別カット | 記録なし | 記録なし | 13秒 | 2500 |
| 燕山荘+テント | 24mm | F2.8 | 15秒 | 3200 |
| 奥穂・ジャンダルム | 16mm | F2.8 | 15秒 | 3200 |
| 岳沢小屋 | 記録なし | 記録なし | 25秒 | 3200 |
| 2019年3月・雪山星景の別カット | 24mm | F1.4 | 6秒 | 3200 |
※撮影設定は今回確認した編集前JPG・CR2のEXIFを基に記載しています。公開写真はRAW現像・書き出し後のファイルで、元ファイルと名称が異なるものがあります。EXIFに記録が残っていない項目は推測せず「記録なし」としています。
作例1|雲ノ平:20秒・ISO3200

空の暗い山岳地帯では、天の川をしっかり露光できます。
ただし20秒がいつでも正解ではありません。
焦点距離や星の流れを確認しながら調整します。
作例2|唐松岳:月明かりがある夜は10秒・ISO1600

この作例は、月明かりがあることでISOを抑えられた分かりやすい例です。
同じ唐松岳で15分ほど後に撮影した別カットでは、13秒・ISO2500という設定も残っています。
同じ場所でも、光の状態や構図によって設定は変わります。
作例3|燕山荘:24mm・F2.8・15秒・ISO3200

24mm・F2.8・15秒・ISO3200は、今回の作例の中でも非常に分かりやすい基本形です。
ただし人工光があるため、星だけを見て露出を上げ続けると山小屋やテントが明るくなりすぎます。
作例4|奥穂:16mm・F2.8・15秒・ISO3200

燕山荘と同じ15秒・F2.8・ISO3200でも、こちらは16mmです。
焦点距離が短いほど広い範囲を入れやすく、同じ露光時間でも星の移動は画面上で目立ちにくくなります。
作例5|岳沢:25秒・ISO3200

25秒という比較的長い露光を使った作例です。
このように私自身も、すべての写真を10秒や15秒だけで撮っているわけではありません。
焦点距離、被写体、星をどこまで点として見せたいかによって判断します。
月明かりがある夜は「天の川だけ」を見ない
天の川そのものを濃く撮るなら、新月前後は有利です。
しかし私は月がある夜にも撮影します。
月明かりがあると天の川は薄くなりますが、その代わり山肌や雪面を照らしてくれます。
その場合は、
- ISOを下げる
- シャッタースピードを短くする
- 月と天の川の距離を見る
- 山肌の明るさも確認する
といったことを考えます。
天の川だけではなく、写真全体で何を見せたいかによって設定を変えます。
月明かりと天の川の関係については、「天の川はいつ見れる?月別の時間・方角を実写で解説」でも実写を使って詳しく紹介しています。
雪山では新月でも前景が写りやすい
同じ新月でも、夏の黒い山と冬の雪山では条件が違います。
雪面は周囲のわずかな光を反射するため、月が少ない夜でも山の形が写りやすくなることがあります。
そのため雪山では、前景の明るさや空との明暗差も見ながら設定します。
「夜だからこの設定」と固定せず、目の前の被写体がどれだけ光を持っているかを見ることが大切です。
街明かりがある場所では露出を上げすぎない
赤岳や北岳では、高標高でも方向によって強い街明かりを感じたことがあります。
地平線方向が明るい状態で、天の川だけを明るくしようとしてISOや露光時間を上げすぎると、街側が明るくなりすぎます。
そんなときは、
- シャッタースピードを短くする
- ISOを抑える
- 明るい部分が飛びすぎない範囲で撮る
- RAWで情報を残す
ことを意識します。
厳冬期は「最高画質」だけで設定を決めない
星景撮影の設定は、写真の出来栄えだけを見て決めるものでもありません。
厳冬期の山では、外で活動できる時間そのものが限られます。
手がかじかみ、細かなカメラ操作が難しくなることもあります。
そんなときに、画質だけを追い求めて何度も細かな設定変更を続けることが必ずしもよいとは思っていません。
状況によっては、
- F値を開ける
- ISOを上げる
- シャッタースピードを調整する
- 撮影枚数を絞る
などして、その環境で現実的に撮れる設定を選びます。
撮影者自身が安全に行動できることも、撮影条件の一つです。
天の川撮影に必要な機材
設定だけでなく、使用する機材によって天の川撮影のしやすさは大きく変わります。
ここでは、私が実際の山岳星景撮影で使っている機材を中心に紹介します。
カメラ|作例の多くはCanon EOS 6D
MモードとRAW撮影ができ、高感度撮影に対応したカメラが使いやすいです。
この記事で紹介している作例の多くはCanon EOS 6Dで撮影しています。
私はEOS 6Dを長年使っており、現在も星景撮影で使用しています。
明るい広角レンズ|14〜24mmを中心に使う
14〜24mm前後の広角レンズは、山と天の川を一緒に入れやすく使いやすい焦点距離です。
F2.8以下の明るいレンズなら、シャッタースピードやISOの選択肢が増えます。
私はSIGMA 24mm F1.4 Art、SAMYANG XP 14mm F2.4などを、構図や山行によって使い分けています。
レンズの違いについては、今後14mm・24mm・35mmの実写を使って詳しく比較する予定です。
三脚|軽さと安定性を撮影内容で使い分ける
天の川撮影では数秒〜数十秒の露光をするため、三脚はほぼ必須です。
山へ持っていく以上、三脚もできるだけ軽くしたいところですが、軽さだけでなく風に対する安定性や雲台の固定力も重要だと感じています。
私はSIRUIの三脚を長年使用しており、山行や撮影内容によって使い分けています。
軽量化したい山行|SIRUI AM-223L+AT-10
笠ヶ岳のように装備全体を軽くしたいときには、SIRUI AM-223L+AT-10を使います。
コンパクトなので、テント場周辺など高い撮影位置を必要としない場面では持っていきやすいです。
一方、通常の大型三脚ほど高さは出せないため、撮影場所や構図を考えて選んでいます。
安定性を重視する山行|SIRUI T-1205X
一方、撮影機材を多く持ち、安定性を重視するときにはSIRUI T-1205Xを使っています。
私はG-20KXの雲台と組み合わせています。
星景撮影では風によるわずかな振動でも長秒露光へ影響するため、三脚本体だけでなく雲台の固定力も重要です。
安定性を重視するときに使用している三脚
SIRUI T-1205X
※リンク先はT-1205X三脚です。私が組み合わせているG-20KX雲台とは別商品です。
ヘッドライト|星景撮影では赤色灯も便利
山での撮影では、カメラ用品以前にヘッドライトが必要です。
私は現在、Black Diamond Storm 500-Rを使用しています。
夜間登山に必要な明るさがあるだけでなく、星景撮影では赤色灯を使えることも便利です。
暗闇に慣れた目へ強い白色光を入れにくく、テント場や他の撮影者がいる場所でも必要以上に強い白色光を使わずに作業できます。
▶ Storm 500-Rを含む登山用ヘッドライト4モデルの比較はこちら
レンズヒーター|夜露・結露対策で持っていく
星景撮影で意外と困るのが、撮影途中のレンズの曇りです。
夜間に長時間撮影していると、気温や湿度の条件によってレンズ表面に夜露が付き、気付かないまま撮影を続けてしまうことがあります。
せっかくピントや露出が合っていても、レンズが曇ってしまえば星像はぼやけてしまいます。
そのため私はUSB給電式のレンズヒーターを持っていきます。
撮影中は画像を拡大して星像を確認すると同時に、レンズそのものが曇っていないかも確認しています。
予備バッテリー
長時間露光や低温環境ではバッテリー消費が早くなるため、特に山では予備を持っていきます。
レンズヒーターをUSB給電する場合は、カメラの予備バッテリーだけでなくモバイルバッテリーの残量も確認しています。
北アルプスのテント泊では撮影機材も重量に含めて考える
星景撮影を目的にすると、カメラ・レンズ・三脚だけでも荷物はかなり増えます。
私の場合、笠ヶ岳ではカメラ・24mmレンズ・軽量三脚を中心に構成し、涸沢ではレンズや三脚を増やしたため、撮影機材だけでも重量差が生まれました。
テント・シュラフ・ザック・衣類・食料まで含めた実際の装備重量は、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶ 北アルプステント泊の装備一覧|1泊2日の重量を笠ヶ岳・涸沢の実例で比較
RAWで撮影する理由
私は天の川をRAWで撮影します。
星景写真は、空と地上の明るさの差が大きく、ホワイトバランス、シャドウ、ハイライトなどを後から細かく調整することが多いからです。
ただし、RAW現像で何でも救えるわけではありません。
ピンぼけや大きく流れた星は、撮影時に防ぐことが一番重要です。
天の川撮影でよくある失敗と対処法
天の川が薄い
月明かり、街明かり、薄雲、霞を確認します。
設定を変える前に、そもそもの空の条件を見ることが重要です。
星が線になっている
シャッタースピードが長すぎる可能性があります。
シャッタースピードを短くし、その分をISOやF値で補います。
星がぼけている
ライブビューを拡大してMFで合わせ直します。
撮影後も画像を拡大して確認してください。
画面の隅だけ星が崩れる
レンズの特性が影響している可能性があります。
少し絞る、焦点距離を変える、星像に強いレンズを使うなどの方法があります。
私自身は星景撮影でSIGMA Artシリーズを長く使用しており、24mm F1.4や35mm F1.4を高く評価しています。
途中から星がぼやけてきた
ピントずれだけでなく、夜露や結露によってレンズが曇っている可能性があります。
レンズ表面を確認し、結露しやすい条件ではレンズヒーターを早めに使用します。
写真がザラザラする
ISOを上げすぎている場合だけでなく、撮影時の露出不足を後処理で大きく持ち上げた場合にもノイズが目立ちます。
F値・シャッタースピード・ISOのバランスを見直します。
山が真っ黒になる
新月の夏山などでは自然な結果でもあります。
山肌まで出したいなら、月明かりのある条件を選ぶ方法もあります。
写真全体が白っぽい
街明かり、月、薄雲、霞などが考えられます。
設定だけでなく、撮影条件そのものを確認してください。
撮影前に「いつ・どこ・どの方角」を確認する
カメラ設定が完璧でも、天の川がその時間に見えなければ撮影できません。
私は撮影前に国立天文台「今日のほしぞら」などで位置を確認し、地図や天気予報も使って撮影時間と構図を考えています。
天の川がいつ見えるかは、「天の川はいつ見れる?月別の時間・方角を実写で解説」で詳しく紹介しています。
肉眼で実際にどう見えるのかは、「天の川は肉眼でどう見える?」も参考にしてください。
よくある質問
天の川撮影のISOはいくつがおすすめですか?
私はISO3200前後から始めることが多いですが、固定ではありません。月明かりや街明かりが強ければISO1600程度へ下げることもあります。反対に、シャッタースピードを短くしたい場合はISOを上げます。
天の川撮影のF値はいくつですか?
F1.4〜F2.8程度の明るいレンズは使いやすいです。ただし、開放で画面周辺の星像が崩れるレンズもあるため、実際に撮影して隅まで確認します。
シャッタースピードは何秒ですか?
広角レンズなら10〜15秒前後から始めると調整しやすいです。ただし、今回の実写では6秒から25秒まで使っています。焦点距離や撮影目的によって変えています。
14mmと24mmならどちらが天の川撮影に向いていますか?
どちらも使えますが、写り方が大きく違います。
私は、山岳風景と空を大きく入れたいときは14mm、天の川をもう少し大きく見せながら山とのバランスも取りたいときは24mmを使うことが多いです。
焦点距離は「どちらが上か」ではなく、撮りたい構図で選びます。
F4のレンズでも天の川は撮れますか?
条件がよければ撮影できます。ただしF2.8やF1.4より取り込める光が少ないため、ISOを上げる、露光時間を長くするなどの調整が必要になります。
キットレンズでも天の川は撮れますか?
撮影できます。
まずは手持ちのレンズで試し、F値・ISO・シャッタースピードを調整するのがおすすめです。
そのうえで、星をもっと点として止めたい、ISOを抑えたい、画面周辺の星像にもこだわりたいと感じるようになったら、F1.4〜F2.8クラスの明るい広角レンズを検討すると違いが分かりやすくなります。
私は星景撮影ではSIGMA 24mm F1.4 ArtやSAMYANG XP 14mm F2.4などを使用しています。
SIGMA 24mm F1.4 Artはどのマウントを買えばいいですか?
カメラによって異なります。
私が使用しているのは旧モデルの24mm F1.4 DG HSM | Art・Canon EFマウント用です。
Sonyのフルサイズミラーレスで使うなら、24mm F1.4 DG DN | Art・Sony Eマウント用があります。
商品名が似ていても対応マウントが違うため、必ず自分のカメラに対応しているか確認してから購入してください。
三脚は必要ですか?
一眼カメラで数秒以上の長秒露光をするなら、基本的に三脚を使用します。
私は軽量化したい山行ではSIRUI AM-223L+AT-10、安定性を重視する場合はT-1205Xなどを使い分けています。
レンズヒーターは必要ですか?
すべての夜に必ず必要というわけではありませんが、気温や湿度の条件によってはレンズに夜露が付きます。
長時間の星景撮影やタイムラプスでは、途中でレンズが曇るとそれ以降の写真が使えなくなるため、私はレンズヒーターを持っていきます。
ピントは無限遠に合わせればよいですか?
無限遠マークだけに頼らず、明るい星をライブビューで拡大し、星が最も小さくシャープに見える位置へMFで合わせるのがおすすめです。
スマホでも天の川を撮れますか?
機種や空の条件によっては撮影できます。ただし、一眼カメラとは撮影方法や設定方法が異なるため、スマホ撮影は別記事で詳しく扱う予定です。
まとめ|設定値を覚えるより「撮って確認して変える」
天の川撮影を始めるなら、まずは、
- F2.8前後
- 10〜15秒前後
- ISO3200前後
- MF
- RAW
- 三脚
をスタート地点にすると分かりやすいです。
ただし、それが正解ではありません。
実際に今回確認した私の元データだけでも、
- F1.4・6秒・ISO3200
- F2.8・15秒・ISO3200
- 10秒・ISO1600
- 20秒・ISO3200
- 25秒・ISO3200
と設定は大きく違います。
天の川の濃さ、月、雪、街明かり、山小屋の灯り、使用レンズ、焦点距離、タイムラプスやパノラマなどの撮影目的によって変えているからです。
そして私は、一枚撮るたびに必要に応じて画像を拡大し、
「ピントは合っているか」「星は流れていないか」「自分が見せたい明るさになっているか」
を確認します。
一枚目から完璧に撮ろうとしなくて大丈夫です。
いくつか設定を変えて撮りながら、自分が納得できる一枚へ近づけていく。
その判断を繰り返すことが、天の川撮影を上達させる一番の近道だと私は感じています。
この記事で紹介した、私が実際に使っている星景撮影機材
- SIGMA 24mm F1.4 Art
- SAMYANG XP 14mm F2.4
- SIRUI AM-223L+AT-10
- SIRUI T-1205X
- Black Diamond Storm 500-R
- レンズヒーター
レンズは対応マウントを必ず確認してください。
Canon EF用 SIGMA 24mm F1.4 DG HSM Artを見る

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