「満天の星空の下で、時間を忘れて空を見上げてみたい」
都会の喧騒や人工の光から離れて、そんな風に思ったことはありませんか?岐阜県の最西端、揖斐川町の山深い秘境に、その願いを叶えてくれる絶景スポットがあります。日本最大級のロックフィルダム「徳山ダム」です。
ここは、東海地方屈指の星空の名所として、知る人ぞ知る存在。あまりの星の多さに、誰もが息をのむほどの感動を味わえます。
この記事では、
私が実際に徳山ダムの道中にある藤橋城で撮影した天の川の写真とともに、なぜここが最高の星空スポットなのかを徹底解説します。
さらに、星空観賞だけでなく、日中のダム観光の楽しみ方から、絶対に立ち寄るべき「道の駅 星のふる里ふじはし」の絶品グルメ、そして旅の疲れを癒す温泉まで、徳山ダムエリアを120%満喫するための情報を余すことなくお届けします。
この記事を読めば、あなたもきっと、徳山ダムの星空に会いに行きたくなるはずです。
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なぜ徳山ダムは岐阜の星空スポットとして最高なのか?
徳山ダムが星空観賞に最適な場所であるのには、明確な理由があります。それは、星空を美しく見るための「最高の条件」が奇跡的に揃っているからです。
1. 圧倒的な光害のなさ
星空を綺麗に見るための最大の敵は、街の明かりである「光害(ひかりがい)」です。徳山ダムは、人家や市街地から遠く離れた山奥に位置しているため、この光害がほとんどありません。夜になると周囲は完全な闇に包まれ、肉眼でも天の川がはっきりと見えるほど、星本来の輝きを邪魔するものが何もないのです。
2. 標高の高さと澄んだ空気
徳山ダムの堤体の標高は約400m。周辺はさらに標高の高い山々に囲まれています。標高が高い場所は、地上のチリや水蒸気の影響を受けにくく、空気が澄んでいます。そのため、星の光が地上に届くまでに遮られることが少なく、一つ一つの星がよりシャープに、そして強く輝いて見えるのです。

3. 視界を遮るものがない広大な空
ダム湖である徳山湖の上には、視界を遮る建物や電線はもちろんありません。ダムの堤体や展望台に立てば、360度に近いパノラマで夜空を見渡すことができます。地平線(山際)から昇ってくる星座や、空を横切る壮大な天の川のアーチを余すことなく堪能できるのは、この広大な空間ならではの贅沢です。
これらの条件が揃うことで、徳山ダムはまるで天然のプラネタリウムのような空間となり、訪れる人々に忘れられない星空体験を提供してくれます。
岐阜県で星が綺麗に見える場所は?徳山ダムで天の川を撮影してきた!
「岐阜県で星が綺麗な場所はどこ?」と聞かれたら、私は迷わずこの徳山ダム周辺を挙げます。その美しさは、言葉で説明するよりも写真を見ていただくのが一番でしょう。

この写真は、徳山ダムの手前にある藤橋城址で撮影したものです。月明かりのない新月の夜、空を見上げると、そこには白く淡い光の帯、天の川がはっきりと見えていました。まるで星が降ってくるかのような光景に、寒さも忘れて夢中でシャッターを切り続けました。
徳山ダムで天の川を見るなら
• 時期: 天の川が最も見やすくなるのは、5月〜9月頃です。特に、夏の大三角形が空高く昇る7月〜8月は、一年で最も濃く、迫力のある天の川を見ることができます。
• 時間: 天の川が見える時間帯は季節によって変わります。夏の早い時期は夜中から明け方にかけて、真夏になると日没後すぐに見え始めます。事前に星空アプリなどで天の川が昇ってくる時間と方角を確認しておくと良いでしょう。
• 場所:
• 徳山ダム堤体の上: 広々としており、ダム湖と星空を一緒に楽しめます。
• 徳山ダム展望台: 少し高い位置から、より広い視野で星空を眺めることができます。駐車場からも近いのが魅力です。
• 徳山会館周辺の駐車場: 車を停めてすぐに星空観賞ができる手軽なスポットです。

星空撮影は初心者には少し難しく感じるかもしれませんが、三脚でカメラを固定し、マニュアルモードで設定を調整すれば、スマートフォンでも驚くほど綺麗な写真が撮れることもあります。ぜひ、三脚とカメラを持って、この絶景に挑戦してみてください。
藤橋村(現・揖斐川町)には星空スポットはありますか?
はい、徳山ダムがある旧藤橋村エリアは、まさに地域全体が星空スポットの宝庫です。徳山ダム以外にも、星空ファンを魅了する場所が点在しています。
• 藤橋城・西美濃天文台
徳山ダムへ向かう国道417号線沿いにある、お城の形をしたユニークな建物が「藤橋城」です。ここはプラネタリウムや歴史民俗資料館が併設された施設で、私が先ほどの写真を撮影した場所でもあります。隣接する「西美濃天文台」には口径60cmの大きな反射望遠鏡があり、定期的に星空観望会が開催されています(要事前確認)。星について学びながら、本物の星空を眺めることができる、最高のスポットです。
• 徳山会館
徳山ダムのすぐ手前にある施設で、広い駐車場があります。ここは比較的アクセスしやすく、トイレもあるため(夜間利用は要確認)、初心者でも安心して星空観賞を楽しめる拠点となります。空が広く開けており、ダムまで行かなくても十分に美しい星空を堪能できます。
• さざれ石公園
国歌「君が代」に詠まれている「さざれ石」の実物がある公園です。徳山ダムへの道中にあり、駐車場も整備されています。周囲に明かりが少なく、穴場的な星空観賞スポットとして知られています。ドライブの途中に立ち寄って、星空を眺めるのも乙なものです。
このように、目的地である徳山ダムだけでなく、そこへ至る道中にも魅力的な星空スポットが点在しているのが、このエリアの大きな魅力と言えるでしょう。
星空だけじゃない!日中の徳山ダム観光の魅力
夜の星空が素晴らしい徳山ダムですが、日中の観光も非常に魅力的です。ぜひ、明るい時間帯から訪れることをお勧めします。
• 日本最大級のダムのスケールを体感
徳山ダムは、総貯水量が浜名湖の約2倍という、日本一を誇る巨大なダムです。展望台から見下ろすダム湖と、高さ161mの堤体のスケール感はまさに圧巻の一言。その壮大な景色は、人間の技術と自然の雄大さの両方を感じさせてくれます。
• 徳山ダム資料館で歴史に触れる
ダム建設によって湖の底に沈んだ「徳山村」。ダムの麓にある資料館では、今はなき徳山村の歴史や文化、人々の暮らしを学ぶことができます。美しい景色だけでなく、その背景にある物語に触れることで、徳山ダムへの理解がより一層深まるでしょう。
• 四季折々の絶景
徳山ダムは、季節ごとに全く違う表情を見せてくれます。生命力あふれる新緑の春、深い緑と青い湖面のコントラストが美しい夏、山々が燃えるように色づく紅葉の秋、そして静寂に包まれる雪景色の冬。どの季節に訪れても、その時期ならではの絶景が待っています。

星空観賞の前に、まずはこの雄大な自然とダムの景観をゆっくりと楽しんでみてください。
徳山ダム観光とセットで訪れたい!「道の駅 星のふる里ふじはし」の魅力
徳山ダムを訪れるなら、絶対に外せないのが、その玄関口にある「道の駅 星のふる里ふじはし」です。ここは単なる休憩所ではありません。地元の魅力がぎゅっと詰まった、食と癒しのテーマパークのような場所なのです。

星空観賞へ向かう前の腹ごしらえや、帰りのお土産探しに立ち寄ったのですが、その魅力にすっかり虜になってしまいました。
• やみつきになる「フライビーンズ」
まず、お土産コーナーで見つけて何気なく買った「フライビーンズ」。これが衝撃的な美味しさでした。地元で採れたそら豆をカリッと揚げて、絶妙な塩加減で味付けしたシンプルな一品なのですが、一度食べ始めると手が止まりません。サクサクとした食感と豆の香ばしさが口いっぱいに広がり、ビールのお供にも最高です。これは必ず買うべき逸品です。
• 揚げたてアツアツ!手作りドーナツと濃厚ソフトクリーム
小腹が空いたら、迷わずテイクアウトコーナーへ。ここで食べた揚げたてのドーナツは、外はサクッ、中はふわふわの優しい味わい。ドライブの疲れも吹き飛ぶ美味しさです。そして、その隣で輝く濃厚なソフトクリーム。ミルクの風味がしっかりと感じられ、ドーナツとの相性も抜群。この甘い誘惑には誰も抗えないでしょう。

• カレーパンじゃない!絶品「藤橋パン」
この道の駅で絶対に食べてほしいのが、名物の「藤橋パン」です。見た目はカレーパンのようですが、全くの別物。一口かじると、中から現れるのは、甘辛く煮付けられた地元産のしいたけがたっぷり入った餡。しいたけの芳醇な香りと旨味、そしてシャキシャキとした食感が、パン生地と見事に調和しています。これは他では決して味わえない、藤橋ならではの味。カレーパンを想像して食べると、良い意味で裏切られること間違いなしです。
その他にも、新鮮な地元野菜や、よもぎ餅、朴葉寿司など、地元のお母さんたちが作った温かみのある特産品がたくさん並んでいます。徳山ダムの思い出とともに、美味しいお土産もぜひ持ち帰ってください。

旅の締めくくりは温泉で!「いび川温泉 藤橋の湯」
道の駅の魅力はグルメだけではありません。なんと、敷地内には日帰り温泉施設「いび川温泉 藤橋の湯」が併設されているのです。

星空観賞は、夏でも夜になるとかなり冷え込みます。長時間、屋外で星を眺めていると、体の芯から冷えてしまうことも。そんな時に、この温泉はまさに天国です。
泉質はナトリウム炭酸水素塩泉で、肌がスベスベになる「美肌の湯」として知られています。露天風呂やサウナも完備されており、星空観賞で冷え切った体をじっくりと温めることができます。旅の最後に温泉でリフレッシュすれば、最高の締めくくりになることでしょう。
徳山ダムへのアクセスと星空観賞の7つの注意点
最後に、徳山ダムへのアクセスと、安全に星空観賞を楽しむための注意点をお伝えします。
アクセス
• 車が必須: 徳山ダム周辺に公共交通機関はほぼありません。アクセスは必ず車をご利用ください。
• 最寄りIC: 名神高速道路の「大垣IC」または「関ケ原IC」、東海環状自動車道の「大垣西IC」から国道417号線などを経由して約1時間半〜2時間です。
• 道中の注意: 道の駅を過ぎると、街灯のない真っ暗な山道が続きます。カーブも多いので、運転には十分注意してください。また、ガソリンスタンドもありませんので、事前に給油を済ませておきましょう。
星空観賞の注意点
1. 防寒対策は万全に: 夏でも夜間の山は想像以上に冷え込みます。フリースやダウンジャケット、ブランケットなど、冬並みの防寒着を用意しましょう。
2. 懐中電灯は必須: 周囲は本当に真っ暗です。足元を照らすための懐中電灯は絶対に必要です。星を見るときは、赤いセロハンを貼るなどして光を弱めると、目が暗闇に慣れたままでいられます。
3. 野生動物に注意: 周辺は自然豊かな場所です。特に、熊や鹿、猪などの野生動物が出没する可能性があります。単独行動は避け、熊鈴を携帯するなどの対策を心がけてください。
4. トイレは事前に: 道の駅が最後の綺麗なトイレです。ダム周辺にはほとんどトイレがないため、必ず事前に済ませておきましょう。
5. 通信環境: 山間部のため、携帯電話の電波が届きにくい場所があります。
6. ゴミは必ず持ち帰る: 美しい自然を守るため、ゴミは絶対に持ち帰りましょう。
7. マナーを守る: 他の観賞者もいます。大声で騒いだり、車のライトを長時間つけっぱなしにしたりしないよう、お互いに配慮して静かに星空を楽しみましょう。
徳山ダムの星空まとめ
岐阜県の秘境、徳山ダム。そこは、手を伸ばせば星に届きそうなほどの、圧巻の星空が広がる場所でした。
光害のない澄んだ夜空に輝く無数の星々と天の川は、日々の悩みや疲れを忘れさせてくれる、まさに絶景です。
そして、その旅をさらに豊かにしてくれるのが、美味しい地元グルメと心癒される温泉。日中はダムの雄大な景色を楽しみ、お腹が空いたら「道の駅 星のふる里ふじはし」で絶品の藤橋パンやフライビーンズに舌鼓を打ち、夜は満天の星に包まれる。そして最後は温泉でリフレッシュ。
こんなにも贅沢な一日を過ごせる場所は、そう多くはありません。
次の休日、あなたも都会の喧騒を離れて、徳山ダムで忘れられない感動体験をしてみませんか?きっと、人生最高の星空があなたを待っています。
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