笠ヶ岳への代表的な登山ルートのひとつが、新穂高温泉から笠新道を登るルートです。
笠新道は「急登がきつい」と言われることで知られていますが、実際にはどれくらい歩くのでしょうか。
この記事では、2026年8月に実際に笠新道を歩き、笠ヶ岳山荘でテント泊した記録をもとに、
登山ルート、コースタイム、距離、累積標高、難易度、駐車場、日帰りの可否、区間ごとのきつさを詳しく紹介します。
先に結論|笠新道は「技術より体力」が求められるルート
笠新道は、岩場などの高度な技術を必要とするというより、
長い急登を登り続ける体力が求められるルートです。
今回は鍋平高原駐車場からスタートし、笠新道登山口を経て笠ヶ岳山荘でテント泊。
翌日に笠ヶ岳山頂へ登ったあと、笠新道を下山しました。
駐車場から登山口までの移動も含めると、かなり歩きごたえのある山行になりました。
- 今回の笠ヶ岳登山データ
- この記事で分かること
- 笠ヶ岳の登山ルートは?笠新道から登るルートを紹介
- 笠ヶ岳・笠新道のコースタイム|実際に歩いて分かった所要時間
- 1日目の登り|鍋平高原駐車場から笠ヶ岳へ
- 笠新道登山口から抜戸岩まで約4時間55分
- 2日目の下山|笠ヶ岳から鍋平高原駐車場へ
- 笠新道の登りと下りを比較すると?
- 笠ヶ岳のコースタイムを計画するときの注意点
- 笠新道はどこがきつい?実際に歩いて分かった難易度
- 笠新道を区間ごとに見ると、どこがきつい?
- ① 笠新道登山口~杓子平|長い急登が続く
- ② 杓子平|笠ヶ岳が目の前に現れる絶景ポイント
- ③ 杓子平~抜戸岩|景色は最高、でもまだ登る
- ④ 抜戸岩~笠ヶ岳山荘|きつさから解放される稜線歩き
- ⑤ 笠ヶ岳山荘~山頂|最後にもうひと登り
- 笠新道に危険箇所はある?実際に歩いた印象
- 笠新道ではストックが役に立った
- 笠ヶ岳は日帰りできる?コースタイム15時間超のルートを実際に歩いてみた
- 笠ヶ岳の日帰り登山では何時間歩く?
- 今回はなぜ日帰りではなく1泊2日にしたのか?
- 笠ヶ岳は日帰りと1泊2日、どちらがおすすめ?
- 笠ヶ岳の日帰り登山に向いているのはこんな人
- 笠ヶ岳を日帰りするなら注意したいポイント
- 結論|笠ヶ岳は日帰りできるが、1泊2日なら山をもっと楽しめる
- 「笠ヶ岳登山の駐車場|前日14時でも新穂高温泉周辺は満車だった」
今回の笠ヶ岳登山データ
まず、今回の山行で記録したデータをまとめます。
コースタイムや距離については、実際のYAMAPの活動記録をもとにしています。
| 項目 | 今回の実測・記録 |
|---|---|
| 総距離 | 24.4km |
| 累積標高(のぼり) | 2,419m |
| 累積標高(くだり) | 2,425m |
| 標準タイム | 15時間20分 |
| コース定数 | 59(きつい) |
| 平均ペース | 110~130%(やや速い) |
| 登山スタイル | 1泊2日・テント泊 |
| 天候 | 登り・下りとも晴天 |
標準コースタイムは使用する地図やルート設定によって異なります。
YAMAPの現在のモデルコースでは、新穂高温泉から笠新道を経由して笠ヶ岳を往復するルートについて、
標準タイム15時間09分、距離20.4km、のぼり2,243m、コース定数57「きつい」とされています。
本記事では、これとは別に、筆者自身が実際に歩いたYAMAPログを「今回の実測値」として紹介しています。
この記事で分かること
笠ヶ岳への登山を計画していると、
「笠新道はどれくらいきつい?」
「コースタイムは何時間?」
「日帰りできる?」
「駐車場はどこに停めればいい?」
といった疑問が出てくると思います。
私自身、実際に登る前には同じようなことを調べました。
そこでこの記事では、単なる登山ルートの紹介ではなく、
実際に歩いてみて分かったことを中心にまとめています。
この記事で紹介する内容
- 笠ヶ岳の代表的な登山ルート
- 笠新道のコースタイム
- 登り・下りの実測タイム
- 笠新道の区間ごとのきつさ
- 杓子平から笠ヶ岳までの道のり
- 笠ヶ岳登山の難易度
- 日帰り登山は可能なのか
- 新穂高温泉周辺の駐車場事情
- 鍋平高原駐車場から登山口までの所要時間
- 実際にテント泊して感じたこと
- 笠ヶ岳山荘テント場の混雑・水場・景色
笠ヶ岳の登山ルートは?笠新道から登るルートを紹介
笠ヶ岳は、北アルプスの中でも独立峰のような存在感を持つ山です。
山頂からは槍ヶ岳や穂高連峰など、北アルプスを代表する山々を眺めることができます。
笠ヶ岳への登山ルートはいくつかありますが,
今回私が選んだのは新穂高温泉を起点として笠新道を利用するルートです。
今回のルート
鍋平高原駐車場
↓
新穂高温泉周辺
↓
笠新道登山口
↓
笠新道
↓
杓子平
↓
抜戸岩
↓
笠ヶ岳山荘・テント場
↓
笠ヶ岳山頂
このルートの特徴は、何といっても笠新道の長い登りです.
笠新道に入ると、標高を一気に上げていくことになります.
一方で、標高を上げるにつれて少しずつ視界が開け、
乗鞍岳、焼岳、穂高連峰、さらに槍ヶ岳などが見えてきます。
そして杓子平まで登ると、それまでとは景色が大きく変わります。
目の前に笠ヶ岳が姿を現し、
「ここまで登ってきてよかった」と感じる瞬間でした。
笠新道は「きついけれど、景色の変化が楽しい」ルート
笠新道について調べると、「急登」「きつい」「長い」といった言葉を目にすることがあります.
実際に歩いてみると、その評判どおり体力をかなり使うルートでした。
ただ、ずっと同じ景色の中を歩き続けるわけではありません。
標高が上がるにつれて周囲の山々が見えるようになり、
杓子平に出たところで一気に展望が開けます。
特に印象に残ったのが、杓子平から見た笠ヶ岳です。
長い登りを続けたあとに現れる笠ヶ岳は迫力があり、
それまでの疲れを一瞬忘れさせてくれました。

長い笠新道を登った先で姿を現す笠ヶ岳。この記事のハイライトのひとつです。
笠ヶ岳でテント泊するなら、こちらも参考にしてください
今回は笠ヶ岳山荘のテント場で実際に1泊しました。
テント場の広さ、約45張だった混雑状況、到着時間、水場、景色、夜の様子などについては、
別記事で詳しく紹介しています。
次のパートでは「笠ヶ岳・笠新道のコースタイム」を詳しく紹介します
鍋平高原駐車場から笠新道登山口までの1時間40分、
笠新道登山口から抜戸岩までの4時間55分、
さらにテント場・山頂までの実測タイムを、
登りと下りに分けて紹介します。
笠ヶ岳・笠新道のコースタイム|実際に歩いて分かった所要時間
笠ヶ岳への登山を計画するとき、最も気になるのが「結局、何時間かかるのか?」ということではないでしょうか。
YAMAPのモデルコースでは、新穂高温泉から笠新道を経由して笠ヶ岳を往復する場合、
標準コースタイムは15時間09分です。
距離は20.4km、のぼり・くだりともに2,243mで、コース定数は57「きつい」とされています。
ただし、今回の山行では鍋平高原駐車場を利用したこと、
やテント泊をしたことから、単純にモデルコースの数字だけでは実際の行程をイメージしにくいものでした。
そこでここからは、2026年8月に私が実際に歩いたYAMAPの活動記録をもとに、
「駐車場から登山口まで」「笠新道」「笠ヶ岳山荘」「山頂」「下山」
の順に詳しく紹介します。
今回の実測コースタイムを先にまとめると
登り:鍋平高原駐車場 → 笠ヶ岳
- 3:44 鍋平登山者用駐車場を出発
- 5:24 笠新道登山口に到着
- 10:29 抜戸岩に到着
- 10:59 笠ヶ岳テント場に到着
- 11:55 笠ヶ岳山頂へ向けて出発
ポイント:
鍋平高原駐車場から笠新道登山口まで、実際に約1時間40分かかりました。新穂高センターまでは40分ほどです。
下り:笠ヶ岳テント場 → 鍋平高原駐車場
- 4:22 テント場を出発
- 4:51 抜戸岩
- 8:58 笠新道登山口
- 10:30 鍋平登山者用駐車場に到着
下山では、抜戸岩から笠新道登山口まで約4時間06分。
さらに登山口から鍋平高原駐車場まで約1時間24分かかりました。
1日目の登り|鍋平高原駐車場から笠ヶ岳へ
今回は新穂高温泉周辺の駐車場ではなく、
鍋平登山者用駐車場からスタートしました。
出発時刻は午前3時44分。
まだ周囲は暗く、ヘッドライトを使用して歩き始めました。
ここで最初に注意したいのが、
鍋平高原駐車場に車を停めた場合、そこからすぐ笠新道が始まるわけではないということです。
鍋平高原駐車場から笠新道登山口まで約1時間40分
今回、鍋平登山者用駐車場を3時44分に出発し、
笠新道登山口に到着したのは5時24分でした。
⚠ 鍋平高原駐車場を利用する人は要注意
駐車場から笠新道登山口まで約1時間40分。
この時間を登山計画に入れておかないと、想定より大幅にスタートが遅れる可能性があります。
今回は、新穂高ロープウェイ鍋平高原駅、奥飛騨温泉郷観光案内所、
新穂高温泉バス停、深山荘、市営新穂高第2駐車場などを経由して、
笠新道登山口へ向かいました。
登山口までの道は本格的な登山道に入る前の移動なので、
つい「登山時間」として計算し忘れてしまいそうになります。
しかし、テント泊装備など荷物が重い状態では、
この約1時間40分もれっきとした山行の一部です。

今回は鍋平登山者用駐車場からスタートしました。
5:24|笠新道登山口に到着
駐車場を出発して約1時間40分。
ようやく笠新道登山口に到着しました。
ここから先が、いよいよ今回の山行で最も体力を使った笠新道です。
登山口に到着した時点では、まだ「ここからが本番」という感覚でした。
実際、この先は標高を大きく上げながら長い登りが続きます。
ここまでの実測
鍋平高原駐車場 → 笠新道登山口
約1時間40分
笠新道登山口から抜戸岩まで約4時間55分
5時24分、笠新道登山口から本格的な登りが始まりました。
今回の実測では、登山口から抜戸岩まで4時間55分。
笠新道の長い登りを、約5時間かけて歩いたことになります。
笠新道は、単純に「急な場所がある」というより、
登りが長時間続くことが体力的な負荷につながるルートだと感じました。
YAMAPでも笠ヶ岳のメインルートである笠新道について、
稜線まで急登が続くルートとして紹介されています。

笠新道の登り。長く続く登りが体力を消耗させます。
杓子平に近づくにつれて景色が変わっていく
笠新道を登っていくと、標高が上がるにつれて少しずつ視界が開けてきます。
乗鞍岳、焼岳、穂高連峰などが見えるようになり、
さらに登ると槍ヶ岳も視界に入ってきます。
樹林帯の中でひたすら登っていると、
「まだこんなに登るのか」と感じることもあります。
しかし、景色が少しずつ開けてくることで、
「もう少し頑張ろう」と思えるきっかけにもなりました。
10:29|抜戸岩に到着

笠新道登山口を5時24分に出発し、
10時29分に抜戸岩へ到着しました。
笠新道登山口 → 抜戸岩
約4時間55分
ここまで来ると、長かった笠新道の登りも大きな区切りを迎えます。
ただし、ここで「もうほとんど終わり」と考えるのは禁物です。
抜戸岩から先にもアップダウンがあり、
笠ヶ岳山荘まではまだ歩く必要があります。
10:59|笠ヶ岳山荘のテント場に到着
抜戸岩からさらに歩き、
10時59分に笠ヶ岳山荘のテント場へ到着しました。
抜戸岩からテント場までは約27分。
ここでようやく、この日の大きな目的地に到着です。
今回はここにテントを設営し、荷物を置いてから笠ヶ岳山頂へ向かいました。
11:55|荷物を置いて笠ヶ岳山頂へ

テント場で荷物を置いたあと、笠ヶ岳山頂を目指しました。
山頂へは空身で向かったため、ここまで重いテント泊装備を背負ってきたときとは、
身体の軽さがまったく違います。
テント泊装備を背負って笠新道を登る場合と、
荷物を置いて山頂を往復する場合では、
同じ距離でも体感的な負荷はかなり変わります。
テント泊の場合のポイント
笠新道では重い荷物を背負って長い急登を登ることになります。
そのため、テント泊を計画する場合は、
日帰り登山よりもさらに余裕を持った行程にすることをおすすめします。
2日目の下山|笠ヶ岳から鍋平高原駐車場へ
2日目は早朝にテント場を出発しました。
出発時刻は午前4時22分。
まだ暗い時間帯から下山を開始しています。

2日目の実測タイム
- 4:22 テント場出発
- 4:51 抜戸岩
- 8:58 笠新道登山口
- 10:30 鍋平登山者用駐車場
抜戸岩から笠新道登山口まで約4時間6分
テント場から抜戸岩までは約29分。
そこから笠新道を下り、登山口に到着したのは8時58分でした。
抜戸岩から笠新道登山口までの所要時間は、
約4時間6分です。
笠新道の下山も長い
笠新道は「登りがきつい」という印象が強いルートですが、
実際には下りにも約4時間かかりました。
日帰りを計画する場合は、登りだけでなく下山に必要な体力も考えておく必要があります。
登山口から鍋平高原駐車場までさらに約1時間24分

「登山口まで下りたから、あとは駐車場に戻るだけ」
と考えてしまいそうですが、今回の場合はまだ終わりではありません。
笠新道登山口に到着したのは8時58分。
そこから鍋平高原駐車場へ戻り、
10時30分にようやくゴールしました。
登山口から駐車場までにも約1時間24分かかっています。
「駐車場まで」が山行のゴール
笠ヶ岳登山では、特に鍋平高原駐車場を利用する場合、
「笠新道登山口に到着=下山終了」ではありません。
登山口から駐車場までの移動時間も、あらかじめ行程に組み込んでおく必要があります。
笠新道の登りと下りを比較すると?
今回の実測データを、主要区間だけ比較してみます。
| 区間 | 登り | 下り |
|---|---|---|
| 笠新道登山口 ↔ 抜戸岩 | 4時間55分 | 4時間06分 |
| 抜戸岩 ↔ テント場 | 約27分 | 約29分 |
| 登山口 ↔ 鍋平高原駐車場 | 約1時間40分 | 約1時間24分 |
この数字を見ると、笠新道は単に「登りだけが大変な道」ではないことが分かります。
下りでも笠新道だけで約4時間かかっており、
さらに鍋平高原駐車場まで戻る場合は約1時間24分必要でした。
そのため、笠ヶ岳の日帰り登山を考える場合には、
「山頂まで行けるか」だけでなく「最後まで安全に下山できるか」
まで含めて計画することが重要です。
笠ヶ岳のコースタイムを計画するときの注意点
笠ヶ岳のコースタイムを調べるとき、
「標準タイムが15時間前後なら、自分なら何時間で歩けるか」
と考える人も多いと思います。
しかし、実際の登山では、駐車場の場所、荷物の重量、休憩時間、天候、
登山者の体力などによって所要時間は大きく変わります。
特に今回のようにテント泊装備を背負っている場合、
日帰りの軽装で歩く場合とは体感的な負荷が違います。
コースタイムを見るときに確認したい4つのポイント
- どこからスタートしたコースタイムなのか
- 駐車場から登山口までの時間が含まれているか
- テント泊などで荷物が重くなっていないか
- 下山時間まで含めて余裕のある計画になっているか
次は「笠新道はどこがきつい?」を詳しく紹介します
次のパートでは、今回実際に歩いた経験をもとに、
笠新道登山口から杓子平、抜戸岩、笠ヶ岳山荘までを区間ごとに分けて、
どこがきつかったのか、どこから景色が変わるのかを詳しく紹介します。
特に、長い笠新道を登ったあとに待っている
「杓子平から見た笠ヶ岳」は、このルート最大の見どころのひとつです。
笠新道はどこがきつい?実際に歩いて分かった難易度
笠ヶ岳の登山ルートを調べていると、 「笠新道はきつい」「笠新道は急登が続く」といった情報を目にすることがあります。
実際に歩いてみると、その評判は決して大げさではありませんでした。 特に大変なのは、一気に標高を上げる長い登りが続くことです。
ただし、岩場や鎖場を連続して通過するような技術的な難しさとは少し違います。 今回歩いた印象では、 「登山技術よりも、長時間の登りに耐える体力が必要なルート」 という表現が近いと感じました。
笠新道の難しさを一言で表すなら
「危険だから難しいというより、長く急な登りが続くからきつい」 ルートです。
笠新道を区間ごとに見ると、どこがきつい?
笠新道の「きつさ」は、登山道全体をひとまとめにして考えるより、 区間ごとに分けて考えたほうがイメージしやすいと思います。
今回の山行では、次のような感覚でした。
| 区間 | 体力的な負荷 | 特徴 |
|---|---|---|
| 笠新道登山口~杓子平 | ★★★★★ | 長い急登。体力を最も使う区間 |
| 杓子平~抜戸岩 | ★★★★☆ | 展望が開けるが、まだ登りが続く |
| 抜戸岩~笠ヶ岳山荘 | ★★★☆☆ | 稜線歩き。景色を楽しめる区間 |
| 笠ヶ岳山荘~山頂 | ★★★☆☆ | 最後の登り。山頂直下は岩場もある |
※上記の評価は、筆者がテント泊装備で実際に歩いた際の体感をもとにした目安です。
① 笠新道登山口~杓子平|長い急登が続く
笠新道登山口から先は、いよいよ本格的な登りになります。
今回はテント泊装備を背負っていたため、ザックの重量もそれなりにありました。 その状態で長い登りを歩くため、序盤から少しずつ体力を消耗していきます。
笠新道の特徴は、 「急な場所が一瞬だけある」というより、登りが長く続くことです。
一歩一歩はそれほど難しくなくても、 それが何時間も続くことで、じわじわと脚に疲労がたまっていきます。
笠新道で意識したいこと
- 最初から飛ばしすぎない
- 一定のペースを維持する
- こまめに水分を補給する
- 足が残っているうちに休憩を取る
- 杓子平までの長い登りを最初から想定しておく

笠新道は急登が長く続くため、一定のペースで登ることが大切です。
登るにつれて少しずつ北アルプスが見えてくる
笠新道の登りは体力的には大変ですが、 標高を上げるにつれて少しずつ景色が変化していきます。
今回は、乗鞍岳、焼岳、穂高連峰などが視界に入り、 さらに標高を上げると槍ヶ岳も見えてきました。
樹林帯の中でひたすら足元を見ながら歩いていたところから、 周囲の山々が見えるようになることで、気分も変わります。

笠新道を登っていくと、槍ヶ岳や穂高連峰など北アルプスの山々が見えてきます。
② 杓子平|笠ヶ岳が目の前に現れる絶景ポイント
笠新道を登っていて、 「ここまで来てよかった」と特に感じた場所が杓子平でした。
それまで長い登りを続けてきたところで視界が大きく開け、 目の前に笠ヶ岳が姿を現します。
杓子平は「きつさの先にあるご褒美」
笠新道は体力的に厳しい区間ですが、 杓子平まで登ると一気に展望が開けます。 ここから見える笠ヶ岳は、このルートを歩く大きな楽しみのひとつです。

長い笠新道を登った先で姿を現す笠ヶ岳。
ただし、ここで注意したいのが、 「笠ヶ岳が見えた=もうすぐ山頂」ではないことです。
初めて歩く場合、目の前に山頂が見えると 「もう少しで着く」と思ってしまうかもしれません。
しかし、ここからもまだ歩きます。 しかも、疲労がかなり蓄積しているタイミングです。
個人的には、笠新道を歩く場合、 「杓子平で笠ヶ岳を見てからがもうひと頑張り」 と考えておくと、気持ちの面でも余裕が持てると思います。
③ 杓子平~抜戸岩|景色は最高、でもまだ登る
杓子平から先は、それまでの樹林帯中心の登りとは雰囲気が変わります。
周囲が開け、北アルプスの山々を眺めながら歩けるようになります。 この区間は、笠新道の中でも特に「登山らしい景色を楽しめる区間」だと感じました。
一方で、景色が良くなったからといって楽になるわけではありません。 抜戸岩へ向けて、まだ登りが続きます。

展望が開け、北アルプスの山々を眺めながら稜線を目指します。
このあたりでは、 「もうかなり歩いているのに、まだ登るのか」 という感覚もありました。
笠ヶ岳が見えてからも距離があるため、 山頂が見えてからの精神的な疲れも、笠新道をきつく感じる理由のひとつかもしれません。
抜戸岩が大きな区切り
今回は10時29分に抜戸岩へ到着しました。
笠新道登山口を5時24分に出発しているので、 ここまで約4時間55分。
長い登りを終えて、ようやく大きな区切りを迎えた感覚があります。
今回の実測タイム
笠新道登山口 → 抜戸岩
4時間55分
④ 抜戸岩~笠ヶ岳山荘|きつさから解放される稜線歩き
抜戸岩を過ぎると、登山の印象が少し変わってきます。
もちろんアップダウンはありますが、 それまでの長い笠新道の登りと比べると、 景色を楽しみながら歩ける区間という印象が強くなりました。
正面には笠ヶ岳。 周囲には北アルプスの山々。
長い急登を登ってきたからこそ、 この稜線歩きがとても気持ちよく感じられました。

長い登りを終えた先に待っている稜線歩き。
また、今回の登山では雷鳥の親子にも出会うことができました。
登山道を歩いていると、こうした思いがけない出会いがあるのも、 北アルプスの縦走・稜線歩きの魅力だと思います。
動画|笠ヶ岳へ続く稜線の様子
※実際の稜線の雰囲気が伝わる動画です。(YouTube: https://youtu.be/7gyJAF6L4jo )
⑤ 笠ヶ岳山荘~山頂|最後にもうひと登り
テント場に到着して荷物を置いたら、 いよいよ笠ヶ岳山頂へ向かいます。
今回は11時55分に山頂へ向けて出発しました。
ここまでテント泊装備を背負って歩いてきたため、 ザックを置いて空身になったときの身体の軽さはかなり印象的でした。
山頂直下は岩の多い登りになります。 ただ、笠新道を長時間登ってきた後だからこそ、 「ここまで来た」という達成感も大きくなります。
笠ヶ岳登山で一番きつかったのは?
個人的には、山頂直下の短い登りよりも、 笠新道で長時間にわたって登り続けることのほうが体力的には大きな負荷でした。
笠新道に危険箇所はある?実際に歩いた印象
今回私が歩いたのは、8月の晴天時・無雪期でした。その条件では、岩登りや鎖場を連続して通過するような場所はなく、私自身が「ここだけは特に怖い」と強く感じた区間はありませんでした。
ただし、これは笠新道の危険性が低いという意味ではありません。
岐阜県の北アルプス山岳安全マップでは、笠新道について「急登ルート」で、疲労や下山時の転倒による行動不能遭難に注意するよう案内されています。
笠新道で特に注意したいのは、長い急登で疲労が蓄積したあとの下山です。
今回の実測でも、抜戸岩から笠新道登山口までの下りに約4時間6分かかりました。登り切った時点で体力を使い切らず、安全に下山するための余力を残しておくことが重要です。
また、今回の体感は晴天・無雪期のものです。雨で岩や木の根が濡れている場合、強風や視界不良、残雪がある場合などは、同じ登山道でも難しさや危険性が変わります。
そのため笠新道は、「技術的な難所が連続するルートではないから簡単」と考えるのではなく、長時間の急登と下りを最後まで安全に歩き切れる体力、ペース配分、天候判断が必要なルートと考えるのがよいと思います。
笠新道ではストックが役に立った
今回の登山ではストックを使用しました。
笠新道のように長い登りが続くルートでは、 脚だけで登り続けるよりも、ストックを使って上半身も補助的に使えることで、 足への負担を少し分散できたように感じました。
特にテント泊装備を背負っていると、下山時にも脚への負担が大きくなります。 個人的には、笠新道を歩くならストックを持っていく価値は十分あると感じました。
笠新道を実際に歩いて感じたこと
- 笠新道の最大の特徴は、長い急登が続くこと
- 登山口から杓子平までは特に体力を使う
- 杓子平では笠ヶ岳が目の前に現れ、景色が一気に開ける
- 笠ヶ岳が見えてからも、まだ登りが続く
- 抜戸岩を過ぎると、稜線歩きを楽しめるようになる
- 技術的な難しさよりも体力とペース配分が重要
- ストックは長い登り・下りで役立った
次は「笠ヶ岳は日帰りできる?」を検証します
次のパートでは、 標準コースタイム15時間前後という数字をもとに、笠ヶ岳の日帰り登山が可能なのかを考えます。
「健脚者なら可能なのか」「どれくらい早く出発する必要があるのか」 「なぜテント泊を選んだのか」など、 実際の山行データをもとに詳しく解説します。


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