金華山登山ルート完全比較|馬の背 vs 七曲り 実際に歩いてみた

金華山

岐阜市のシンボルとして知られる金華山。ロープウェイでも登れる山として有名ですが、実は登山道だけで10コースもあることをご存知でしょうか。標高329mと数字だけ見れば低山ですが、コースによってはかなり本格的な岩場もあり、侮ると痛い目を見ます。今回は数あるコースの中から、最難関とされる「馬の背登山道」を登り、岐阜市が初心者向けに推奨する「七曲り登山道」で下山するというルートを実際に歩いてきました。所要時間や体感的なきつさ、それぞれのコースが向いている人のタイプまで、ホームの山として何度も通っている立場から、現地で撮影した写真とともに詳しくレポートします。

金華山には登山道が10コースある(一覧表・難易度)

金華山と聞くとロープウェイのイメージが強いかもしれませんが、実際には山全体に10本もの登山道が整備されています。私自身、ホームの山として何度も登っていますが、コースによって表情がまったく違うのが金華山の面白いところです。まずは主要なコースを一覧で整理しておきます。

コース名距離目安時間難易度
七曲り登山道1.9km約60分★★(初心者向け)
めい想の小径2.3km約60分★★★
百曲り登山道1.1km約40分★★★★
馬の背登山道1.1km約40分★★★★★(最難関)
東坂ハイキングコース1.1km約30分★★★★
鼻高ハイキングコース1.5km約40分★★★★

※このほかに唐釜・達目・大釜・大参道の各ハイキングコースもあり、合計10コースになります。また、めい想の小径・鼻高ハイキングコースは現在、岐阜城改修工事の影響で山頂手前が通行止めになっています(詳しくは別記事で解説します)。

こうして並べてみると、同じ金華山でもコースごとに難易度も雰囲気も大きく違うことが分かります。整備された遊歩道のようなコースもあれば、岩をよじ登るような本格的な登山道もある。この「振れ幅の大きさ」こそが、低山でありながら何度登っても飽きない金華山の面白さだと感じています。

今回歩いたのは「馬の背」と「七曲り」を選んだ理由

数あるコースの中から今回選んだのは、距離こそ短いものの体力を最も使う「馬の背登山道」での登りと、市が初心者に勧めている「七曲り登山道」での下り。あえて難易度が正反対の2コースを組み合わせることで、金華山の「きつい面」と「歩きやすい面」の両方を一日で体感できると考えたからです。スタートは岐阜公園の無料駐車場から。この日は空きがあり、スムーズに停めることができました。

岐阜公園無料駐車場

岐阜公園の無料駐車場。この日は空車があり問題なく停められた

登り:馬の背登山道レポート(岩場・所要時間・きつさ)

駐車場から少し歩くと、馬の背登山道とめい想の小径の分岐点に到着します。ここが今回の登山口です。

馬の背・瞑想の小道の分岐点

馬の背登山道とめい想の小径の分岐点。ここから馬の背方面へ進む

入り口付近はまだ緩やかで、体が温まる程度の勾配です。しかし、ここからが馬の背登山道の本番でした。

馬の背登山道入り口付近

登山道入り口付近。この時点ではまだ余裕がある

少し進むと、両手を使わないと登れないような岩場が次々と現れます。金華山は標高329mと決して高い山ではありませんが、この岩場だけは他のどのコースとも違う本格的な登り応えがあります。足場を確認しながら、ときには四つん這いに近い体勢で登る場面もありました。

馬の背の岩場

馬の背登山道名物の岩場。両手両足を使って登る

登山道の途中には、体力に自信のない方への注意を促す看板も立っています。実際に歩いてみると、この看板の言葉が誇張ではないことがよく分かります。

馬の背登山道の注意看板

道中に立てられている注意看板

岩場を越えたあたりが中間地点。ここで一息つきましたが、8月の暑さも相まって、すでにTシャツは汗だくでした。

馬の背登山道の中間点

中間地点付近。ここまでで体力の半分ほどを使う体感

後半は岩場に加えて、木の根がむき出しになった急登が続きます。雨の日は滑りやすく危険度が上がりそうな区間で、ストックがあると安心だと感じました。

馬の背登山道後半の根っこの急登

後半に現れる根っこだらけの急登

山頂が近づくと、石畳の道に変わり、視界が一気に開けます。ここまでの所要時間は休憩を含めて約40〜50分。距離は1.1kmと短いのですが、体感的には距離以上に消耗するコースでした。その分、山頂に着いたときの達成感と眺めは格別です。

山頂付近の石畳からの絶景

山頂付近の石畳から見えた絶景。この日は長良川と岐阜の街並みまで見渡せた

なお、山頂の岐阜城は現在改修工事のため足場に囲まれており、中に入ることはできませんでした。この点については別記事で詳しくまとめています。

下り:七曲り登山道レポート(整備された道・所要時間)

山頂エリアは思った以上に整備されていて、ベンチや案内看板、きれいなトイレもあり、ちょっとした公園のような雰囲気です。馬の背を登り切った後は、ここでしっかり休憩を取りました。

山頂付近の整備された道とベンチ

山頂付近は道が整備されベンチも設置されている

山頂付近のトイレ

山頂付近にあるトイレ。想像以上にきれいで安心できる

休憩後、下山は市が「登山に慣れていない方にもおすすめ」としている七曲り登山道を選びました。馬の背とは対照的に、道幅が広く傾斜も緩やかで、九十九折りに整備された歩きやすい道が続きます。

七曲り登山道の山頂付近

七曲り登山道の山頂側入り口付近

馬の背で使った脚には、この歩きやすさが本当にありがたく感じられました。同じ金華山とは思えないほど道の性格が違います。

七曲り登山道の緩やかで歩きやすい道

七曲り登山道。緩やかで歩きやすい道が続く

下山の途中、登山道脇でリスを見かけました。金華山の麓には「リス村」という有料の施設もありますが、野生のリスは登山道でも普通に姿を見せてくれます。

登山道で見かけたリス

リス村ではなく、登山道で偶然見かけたリス

登山口(ドライブウェイ入口側)まで下りきったところで七曲り登山道は終了。所要時間は休憩なしで約50分、体感的な負荷は馬の背の半分以下でした。

七曲り登山口

下山口となる七曲り登山道の入り口

2ルートを比較してわかったこと(どちらが誰向きか)

実際に両方のコースを一日で歩いてみて、それぞれの性格がはっきり見えてきました。

馬の背登山道は、短時間で本格的な登山気分を味わいたい人、トレーニング目的で通いたい人に向いています。距離は1.1kmと短いものの、岩場と急登の連続で運動強度は高め。逆に、小さなお子さん連れや体力に自信のない方にはおすすめできません。

七曲り登山道は、金華山を初めて歩く人、家族連れ、写真を撮りながらのんびり登りたい人に向いています。道幅が広く勾配も穏やかなので、会話をしながらでも余裕を持って歩けます。

私自身、ホームの山として何度も金華山に登っていますが、この「登り馬の背・下り七曲り」の組み合わせは、短時間で運動と絶景の両方を得られる、個人的にかなり満足度の高いルートでした。逆に「下り馬の背」はおすすめしません。岩場は登りより下りのほうが滑落のリスクが高く、実際に足元が不安定に感じる箇所が何度もありました。馬の背を使うなら登り専用にするのが安全だと思います。

服装・持ち物・8月の暑さ対策の実体験

今回登ったのは8月中旬、岐阜県内に熱中症警戒アラートが出ているような猛暑日でした。標高329mとはいえ、直射日光の当たる岩場では体感温度がかなり上がります。実際に歩いてみて感じた注意点をまとめます。

・水分は500ml×2本以上を目安に持参する
・タオルは首に巻けるタイプが便利。汗が想像以上に出る
・馬の背登山道は両手を使う場面が多いため、手袋(軍手程度でも可)があると安心
・七曲り登山道は日陰が少ない区間もあるため、帽子は必須
・行動時間は午前中の早い時間帯がおすすめ。午後は雷雨のリスクもある
・靴は普段履きのスニーカーでも歩けなくはないですが、馬の背の岩場を考えるとソールのしっかりした登山靴のほうが安心

短時間で登れる山だからと油断せず、真夏に登る場合はしっかり暑さ対策をしてから臨むことをおすすめします。金華山は「気軽に登れる低山」というイメージが強い分、水も持たずに登り始める人を何人も見かけました。標高が低くても、真夏の直射日光と岩場での運動量は決して侮れません。

まとめ:あなたに合うコースは?

金華山には10本の登山道がありますが、まず1本目に体験するなら「馬の背登山道」と「七曲り登山道」の組み合わせが、金華山の魅力を最も効率よく味わえる方法だと感じました。運動強度を求めるなら馬の背、のんびり自然を楽しみたいなら七曲り。この2つを両方歩けば、自分に合ったコースがどちらなのか自然と分かるはずです。

登山口までのアクセスやロープウェイとの組み合わせ方、駐車場の詳細については別記事でそれぞれ詳しく紹介する予定です。また、山頂の岐阜城が現在どのような状況になっているのか、休館情報についても次回お伝えします。金華山は毎回違う顔を見せてくれる山なので、これからも季節を変えて歩いた記録を残していきたいと思います。

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